先日2020/10/28に糸井重里、Vtuberリゼ・ヘルエスタ、Youtuberコアラの鼎談がYoutube、ほぼ日でそれぞれ公開された。
(ほぼ日版 https://www.1101.com/n/s/koala_lize_itoi/2020-10-28.html)
もう、驚きも驚き。リゼはたまに僕が好きなゲームをプレイしてる時に見るくらいながらも今のVTuberオタクの自分に刺さるし、それ以上にほぼ日刊イトイ新聞の1ファンとして、べらぼうに嬉しい企画だった。
僕とほぼ日の出会いは、多分1999年か2000年か、そのくらいだったと思う。
元々任天堂のファンだった僕はロクヨンが時代の敗北者扱いをされ、次世代機「Dolphin」――後のゲームキューブの情報が出るや出ないやの時期に次世代機の情報欲しさに読み始めたのが最初だった。
既に情報の宝庫であったほぼ日を、家族のコンピュータで時間制限付きの中読み込むのはエキサイティングに感じた。
インターネット黎明期である当時、嘘か真か何もわからない情報ばかりの中で、ゲーム開発者自身達がまだ発売されていないゲームを語る樹の上の秘密基地を見つけられたのは幸運だったと思う。「社長が訊く」ですらディープな話も多いのに、それ以上に踏み込みまくっているのはまだインターネットに対して誰もが手探りだった時期だからなのかもしれない。多分現代であればあまりに生々しすぎて誰も首を縦に振らないコンテンツだと思う。例え岩田聡氏が存命で、糸井氏との友好関係が続いていたとしても。
ほぼ日のインタビューは、全くもって普通ではない。極端な例だけど、「ポケモンスナップ」のインタビューなんかはもう、血反吐を吐くかのような開発現場のリアルが多分に詰め込まれている。パッケージングされたゲームを面白いですから、皆さん遊んでくださいね!というようなインタビューではない。支援プロジェクトで集めた開発チームはまとまらないわ、ゲーム内容は二転三転するわ、「作っていたゲームがある日突然ポケモンになりました」…なんていう発言まで飛び出すわ。もはやガイアの夜明けだとかドキュメンタリー番組に近い。
もちろん、ポジティブな意味での生っぽさも非常に強く、特に「時のオカリナ」の記事は面白い。まだロクヨンが最先端ハードだった頃に何を表現したいか、これはもしかしたらすごいゲームになるかもしれないぞ、みたいな事が当時の目線で沢山書かれている。清濁併せ持ち、生の熱気みたいなものを伝えて来る稀に見るゲームインタビュー群だったと思う。これは間違いなく糸井重里、岩田聡、宮本茂らが首謀者であったからこそできたもので、他の人達が作っている所をちょっと僕は想像できない。
リゼと糸井の出会いのキッカケであるMOTHER3に関しても勿論当時の記事がアップロードされている。それは、ロクヨンで開発され全世界のMOTHERファンが待望にしていた3が、世には出ませんという事を、糸井、岩田、宮本の3人が話すという鼎談。
ゲームが発売中止になった時にこういったものが発表される事自体稀だし、ただのプロデューサーではなくディープに開発に関わったこの三人が、やはり希望も後悔も悲しみも全て含めて曝け出している姿はショッキングとすら言えた。
ここまでディープに続いていたほぼ日と任天堂の関係は、ある日を境に薄まっていってしまった。糸井重里の任天堂における最大の戦友、岩田聡が亡くなった日。(当時の記事)
この後も「岩田さん」など、彼の言葉を保存していくようなプロジェクトはあったし、それも非常に面白いのだけど、僕が見たかったのはゲームに対して大人たちが「いいよねぇ」「こういう事もやりたいよねぇ」なんて話合ってる所だった。次第にほぼ日から足が遠ざかっていってしまった。
そして数年経った頃、ほぼ日MOTHERプロジェクトが発足された。おお、ほぼ日でまたMOTHERの事をやるのか!とは思ったものの、当プロジェクトのメインはグッズだとか記念品の類が多く、インタビューや対談記事が好きだった僕は少し寂しくなっていた。
そんな所にリゼのMOTHER3のプレイが補足され、糸井重里が気に入り、ついには鼎談記事に!流石に興奮が隠しきれなかった。当時と違い開発者ではないものの、MOTHERを好きで好きで仕方ない人たち3人の、「あれいいよねぇ」が見れる訳だ!VTuberだとか、Youtuberってちょっとね、チャラいよね、なんて思っているほぼ日ファン、MOTHERファンも是非読んでほしいと思える記事だ。ただただ思い出対談になるのではなく、直近でプレイしたリゼが入る事で産まれる物もあり、とても素晴らしい鼎談に仕上がっていた。
興味を持った方には是非一読、一見をオススメしたい。
ほぼ日視点(文章) https://www.1101.com/n/s/koala_lize_itoi/2020-10-28.html
リゼ・ヘルエスタ視点(動画) https://www.youtube.com/watch?v=WNJ0a6dcGOA
コアラ視点(動画) https://www.youtube.com/watch?v=VFhu8uiGFsE
ついでに過去の任天堂関連の記事、MOTHER関連の記事にもリンクしておきます。次の休日などを潰すのに如何でしょうか。
樹の上の秘密基地バックナンバー https://www.1101.com/nintendo/index2.html
MOTHERのよみもの https://www.1101.com/mother_project/entry/
MOTHER3(GBA版) https://www.1101.com/MOTHER3/index.html
↑なんとまだ「恋ダンスの人」ではない頃の星野源氏や、「半沢直樹の人」ではない頃の堺雅人氏がコメントを寄せていたりします。そういう点でも面白い歴史資料。
1 throughts on "その日、1VTuberリスナーは自分が「MOTHER」キッズで「ほぼ日キッズ」だった事を思い出した。 #MOTHERの気持ち"